『「自分」の壁』 養老孟司

覚え書

 

こういう状態 ― 共生といってもいいし、一心同体とか運命共同体といってもかまいません ― が、自分の本来の姿である。そう考えると、個性を持って、確固とした「自分」を確立して、独立して生きる、などといった考え方が、実はまったく現実味のないものだと考えられるのではないでしょうか。生物の本質から離れているのは明らかです。