「剣客商売(七) 隠れ蓑」 池波正太郎

これまでのシリーズの中でも、かなりストーリーが良い。
秋山小兵衛の刀の表現がまた素晴らしい。

「鞘は呂色鞘、柄は白鮫黒糸の菱巻き。名工・林又七作の秋草をあしらった鐔。むらさきの畝織りの下緒という上品な拵えで・・・」

ダンディー

 

「徳どん、にげろ」では、傘屋の徳治郎と盗人の八郎吾との、何とも言えない二人の人情にホロっとくる。

 

「隠れ蓑」でも、貧しい老僧と盲目の老武士の二人の人情に熱い想いがこみ上げる。盲目で病気の老武士の剣も格好良い。

 

「決闘・高田の馬場」では、大次郎と共に昔の弟子を助けるのだが、圧倒的な強さと、それを自慢するわけでもなく、うまく治める策が素晴らしい。格好いいのだ。

良い作品だ。