「生物学的文明論」 本川達雄

生物学的視点から現代のあり様を批判する論文。著者はなまこの研究者。なまこには脳も心臓もないことにビックリ!砂を食べて生きているらしい。ゆっくりと生きている生きものだ。

 

こういう視点から、現代の技術が便利ではあるが速い生活にしてしまっていること、人びとは人口物に囲まれて生きていること、人生さえも人工的に作られていると考察している。

 

なまこの話しはたいへん面白かった。

 

以下は作中の一部抜粋

 

時間をかけてつきあったものこそが、自分にとってかけがえのない大切なものになっていく

 

心臓が15億回打つと、ゾウもネズミも、みんな死ぬ。ヒトは、15億回打っても41歳。

 

我が身をすりへらして子孫をつくっていくところに、生物として意味のある時間が流れる